「私の好きなモノそして人。」~テレビドラマって観ますか?~VOL.6「ギャグマンガから巨大ヒーロー実写版まで」
ここまで来ておいてなんですが、大切な時代を忘れていることに気が付きました。
なんで忘れてしまったのだろうと、ちょっと不思議なのですが、ここを書かないわけにはいきませんので、1960年代に一旦戻りたいと思います。
小学校に入り、『鉄人28号』の呪縛から解放された私は、次から次へとテレビ漫画に現を抜かしておりました。小学校に入る頃、
ギャグマンガの始まりのうな番組が放映開始となりました。
これはおそ松くんを筆頭とする六つ子が主人公のドタバタ漫画です。登場人物がいちいちユニークで魅力的です。全員真似をしたくなるような濃いキャラクターで、中でも「しぇー!」でお馴染みの出っ歯のイヤミは、主人公でもないのに、当時「しぇー!」の格好も含めて大人気でした。皆こぞって「しぇー!」のポーズを真似していました。もしかしたら、大人の人たちもやっていました。
エンディングソングか何かで、出っ歯イヤミが
「おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松、、、結構ざんした~!」
と早口で言って終わるのですが、(ムム、この順番であっているかどうかはちょっと疑問です)これが真似したくて何度も挑戦するのですが、口が絡まってなかなか言えなかったんですよねー。6歳児にはちょっと難しかったのですかねー???
女の子の為のテレビ漫画は恐らく
私も少女テレビ漫画を楽しく見ておりました。
私は鉄人の後、この『おそ松君』も約2年くらいは書き続けたようです。
そして同時期に、円谷プロでのテレビ放映が始まりました。
第一弾は『ウルトラQ』1966年から半年の放映でした。
この番組は、石坂浩二の怖いナレーションから始まります。
「これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間に入っていくのです」
石坂浩二のナレーションは6歳児にとって、かなり強烈に怖い言い方で、これから怖いのが始まるドキドキ感んに引き込まれて行きました。
調べもしないで申し訳ありませんが、最初のうちは怪奇現象モノをメインにした番組だったと思います。
後半は怪獣の様なものが多かった気がします。
何度も言いますが、石坂浩二のナレーションは本当に怖かったです。
1960年くらいの生まれの人たちを総称して「ウルトラマン世代」とくくられることがあります。世代の名前に使われるくらいですので、どれ程の存在であったかは、推して知るべしです。
「ウルトラマン世代」とはどんな世代かというと、「飽くまでも参加せず、傍観者的ポジションを取る」世代だそうです。良く言えば、冷静で観察力に優れているのだけれど、決して参加せず観ているだけの世代。とかなんとか酷い言われ様ですが、そう言われているので仕方ありません。
『ウルトラマン』は巨大変身ヒーローの先駆けです。
それまで、巨大怪獣は沢山いましたが、世界中を見渡しても巨大なヒーローはいなかったと思います。『鉄人28号』は確かに大型のヒーローでしたが、自分の意志で動く生物ではなくロボットでした。しかもテレビ漫画です。
そして、変身するというのは斬新でした。
あんなにデッカクなって、服はどうなっちゃうんだろう?
いつもそう思っていましたが、大好きでした。
実写の世界ではそれまで、怪獣をやっつけるのは人間の武器だったり、人間の何とか作戦的なことで、巨大な怪獣と戦っていましたが、自分の意志で同じ大きさで戦うヒーローは何とたくましい事。
しかし、3分間という戦う時間の制約があり、この欠点は逆に子供たちに応援する気持ちを盛り上がらせました。そして、ドキドキ感も。
(この3分間という設定は、あの着ぐるみに入って動き続けるのは容易な事ではなく、3分が限界であったことから出てきた時間の様です。)
そして、スペシューム光線という必殺技も、その後のヒーローたちに大きな影響を与えました。当時あの光線の点線は人力で描いていたようです。凄いですねー!
テレビで巨大ヒーローを怪獣と戦わせるのに、セットと特撮を考えた時どれだけの予算と時間がかかったのだろうと思うと、作り手たちの意気込みや、パワーは想像を絶します。
今の様にCGなどない時代に、それをやるのですから。
兎に角、大人たちが物凄い労力をかけて必死で作っていた作品であることは間違いないと思いますし、その心意気は多くの子供たちの心を揺り動かしていたことも間違いありません。
当時私が『ウルトラマン』を必死になって観ていると、横から父が、ウルトラマンの後ろにはチャックが付いているとか、中の人は空気が薄くて大変だとか、目の内側下についている黒いのは、覗き穴だとか、色々と大きな世話を焼いてくれました。
お陰様で、中の人の空気が大変だから3分なのかなー?などと小学校1年の私は心配をしていました。
どうなのでしょう―、そういうのは、、、
それでも十分に楽しめた番組でした。その後の『ウルトラセブン』も含めて。
少年とヒーローの関係性で言えば、『鉄人28号』とスタイルは同じなのです。
観てはいたのですが、しゃべるのと金髪を生やしているのが何とも、、、。
多分テレビ局同士の視聴率争いの関係で、全く同時期に出てきたのでしょうが、この勝負は明らかに『ウルトラマン』に分があったと思います。
なにせ、ヒーローの持っている孤独感が違いました。早田隊員は自分がウルトラマンである事を誰にも言えないのですから。
この頃、他にも実写の子供対象のドラマが割と多くありました。
その多くはちょっと怖めのものでした。代表作品としては何れも水木しげる原作で、東映東京製作所と言うところが作っていたようです。
『悪魔くん』(YouTube)の主人公は我々よりも少しだけお兄さんだったと思います。
彼が、右腕で横に直角にを作り、握った右手の人差し指を天に向かって呪文を、魔法陣という丸い呪文がたくさん書かれた円の前で唱えるのです。
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。われは求め訴えたり。エロイムエッサム、エロイムエッサイム、くちはてし大気の聖霊よ!万人の父の名のもとに行う、我がもとめに答えよ!エロイムエッサイム!」
するとその丸い魔法陣はゆっくり回り始め、真ん中の穴の開いた辺りから白い煙が上がります。その煙がかなり立ち込めると、中から山高帽とマントという姿の、ちょっとドラキュラの様ないでたちのメフィストという悪魔が現れるのです。
これも、家で延々真似をしました。メフィストと会いたくて。
メフィストは悪魔なので何でも言うことを直ぐには聞いてくれません。
すると、悪魔くんはポケットからソロモンの笛を取り出して、やおら吹き始めるのです。
すると、メフィストの山高帽は吹っ飛んで、彼の尖った頭のテッペンから煙を出して痛がるのです。
「やめてくれ、やめてくれと」メフィストは頭を抱えてもん絶しながら、悪魔くん
に頼み込んでやめて貰い、何でもいうことを聞く破目になる訳です。
それから数年して、百貨店の楽器売り場で、ソロモンの笛を偶然見つけました。それは本当に「アッ!!!」という出会いです。しかしそれは以外にもオカリナという楽器だということが分かりました。手に取ってしげしげと眺めましたが、意外に可愛らしい楽器で、そこに売っていたものはプラスティック製で、綺麗な色をしていました。ソロモンの笛は、白黒でしたので確かなことは言えませんが、骨で作られたような不気味な笛でした。ですから、欲しいなーとは思いましたが、どこか興ざめだったのを覚えています。
悪魔くんとメフィストは、二人で次々と悪い妖怪をやっつけて行きました。
それは、『河童の三平』も同じです。
詳しく覚えていないのですが、妖怪世界に紛れ込んだ三平少年のお話で、三平は自分で妖術を身に着けていたように記憶しています。
三平は少しコミカルでした。
何せ、6歳ごろの話で子供向けドラマが沢山ありましたので、シーンシーンで覚えていたり、そのシーンが混ぜこぜになっていたりします。
今こうして書いていましても、Wikiってみますと時代は少し前後していたり、このドラマの妖怪だと思っていたものが、違うドラマのものだったりして、「へー」と思っています。
妖怪・怪獣にその当時の社会問題などを忍び込ませて、大人たちは大まじめに作っていたのだと思います。
~つづく~
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