ひと休憩~少しオーディオの話~第10話『Bowers and Wilkins 707S2』VOL.3 シングルワイヤーとバイワイヤー

 707S2が我が家に来て約2か月が過ぎました。

だいぶエイジングも進み、良い音で鳴っています。そうなって来ると、少し弄ってみたくなくなるのが人情ってものです。

9話でもお話しましたが、この2か月シングルワイヤーという繋ぎ方でプリメインアンプと707S2を繋いで音を聴いておりました。

B&Wというメーカーは概ねバイワイヤー対応で、4つのスピーカー端子があり高音用中低音用に+-が各々1つづつ付いているという訳です。販売元のD&Mさんの話によると、これは4つ全部を使って音を鳴らすことが前提となっているから4つあるのだという事でした。至極当然の説明です。出来るならそうすべきなのでしょう。

しかし私は、そこを敢えて2つしか使わないシングルワイヤーにしてるのには訳がありました。出力感度が84dBと能率の悪いスピーカーという事もあり、バイワイヤー接続にしますと低音が膨らみ過ぎてボアついてしまう可能性が高いのです。

私が8年愛用していたCM1が良い例でありました。構造上、小さいサイズのスピーカーから充分と思われる低音を出すためには敢えて感度を下げて設定した方が低音が出るスピーカーになる。そんなことを、どこかで読んだ気がします。

兎に角低音のボア付き問題は最大のポイントであったことは間違いいありません。

音には人それぞれ好みがありますが、ボアついてしまうと低音の良さはもう終わりです。そこで、新しい707S2にはジャンパーケーブルを購入し用意しておき写真の様に繋いでいた訳です。

クロスがけ
クロスがけ

この横に広がっているクロとアカのケーブルがジャンパーケーブルなるものです。これで2つの+-同士を繋いでいるのです。因みに写真のつなぎ方をクロスがけと言います。色々なオーディオやさんが推奨する繋ぎ方でもあります。

勿論この繋ぎ方で、充分良い音がしていました。やはり少し腰高ではありますが、本当にクリアーな品のある良い音です。
しかし、

「バイワイヤーはどんな音がするんだろう???」

「もしかして、もっといい音になるのではないだろうか???」

一旦そう思い始めると、確かめずにはいられなくなりました。

現在私の使用している機材は以下の通りです。
プリメインアンプ
marantz PM8004
CDプレーヤー
marantz SA15S2

プリメインアンプのPM8004にはA・B、2つのスピーカー出力がある為、現在はAにはCM1、Bには707S2を繋いでおります。そしてその入力を切り替えたり両方出したりして楽しんでおります。
そのCM1用のAを抜いて、707S2に繋いでみることにしました。勿論例のジャンパーケーブルは必要ありませんので、それも外してAは高音用、Bは低音用という感じでセッティング完了。

さて、音出しです。
音出しには、707S2を買って直ぐにamazonで注文した、音質が素晴らしいと言われるGeorges Paczynski Trio
「GENERATIONS」

これにしました。評判に違わず、素晴らしい音質の1枚です。ピアノの高音域のクリアーさ、引き締まったウッドベース、そして何よりシンバルの音の生々しさたるや本当にそこで敲いている様です。シンバルの音は通常の楽器より音の粒子が大きめで尚且つソリッドであるように思います。その響きの粒たちは目の覚める様な心地よい音の礫となって耳に飛び込んでくるのです。もしかするとその音の礫たちは耳だけでなしに身体全体に当たっていてそれが気持ちが良いのかも知れません。シングルワイヤーの時にはそんな感じを満喫出来てはいました。(余談ですが、オーディオファンのの皆さんには是非お勧めの1枚です!)

それでは、バイワイヤーでの視聴のスタートです。
最初の曲のは、優しいピアノのソロから。

「ムム、、、」

やがてベースとドラムが入って来ます。

「ムム、、、」

煌びやかな高音のピアノの音は少し薄れ、切れの良いウッドベースの音は少し膨らんでしまっている感じがします。美しいシンバルの音も少し控えめです。
全体的に音が下に引っ張られた感じです。ブックシェル特有の綺麗な高音と切れの良い低音が少しづつ下に引っ張られその本来の良さを失いかける勢いです。

なぜこれがメーカ推奨のつなぎ方なのか?訳が分かりません。
それでも、耳慣らしも兼ねて何枚か分かり易いピアノトリオ中心に何枚か聴いてみましたが、耳慣れすることはなく結果はやはり同じでした。

「やっぱり当初の仮説通りかー、、、」

少し残念な思いでこの結果を受け止めておりましたところ、ふと閃いて

「そうだ女性ボーカルモノを聴いてみよう!!!」

そう思い、Diana Krall「Turn Up The Quiet」

を聴いてみることにしました。するとどうでしょう、、、!
ダイアナ・クラールのボーカルが、

ドーンと前に浮き出てきました。

ちょっと予想外の事に暫し唖然としてしまいました。こんな臨場感のあるボーカルの音を自分の家では聴いたことがなかったので、本当に驚きました。まさにそこでマイクを抱えて歌っているようです。細かな声のカスレのセクシーさやブレスの感じのなんと生々しいことでしょう!素晴らしすぎる!
いやー、驚きました!

結果的には中音域がとても強くなり解像度とでもいうべきものが格段に上がりましたが、高音域は少し痩せて、低音域が少し膨らむという結果になりました。それは他のボーカルモノを聴いても同じことでした。
しかし、あのボーカルの感じだけは圧巻でした!

私の感覚ではボーカル自体はバイワイヤーに大きく軍配が上がったものの、総合バランス的では高音の煌びやかさも含めてシングルワイヤーの方が優れた良い音であると判断し、元に戻しました。バイワイヤー接続は、機材を含めた我が家の環境には適さなかったようです。
時間を掛けて、元に戻したという結果にはなりましたが、

オーディオというのはこういう実験が出来るところが実に面白い!

そう、ちょいオタクの私は思うのでした。



皆さんにも、こう言った中級オーディオの良さと面白さを分かって頂けたら幸いです。
これを読んで、

「ちょっと買ってみようかなー。」

等という方がいらっしゃれば、いくらでもご相談に乗りますのでご連絡ください。一緒に中級オーディオのお話が出来る方が増えてくれればこんなに嬉しい事は有りません。

contact@b-moment.com

までご連絡ください。

全く本業ではありませんが、お友達になりましょう!




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