「私の好きなモノそして人。」~テレビドラマって観ますか?~VOL.3「青春は河野先生、刑事はマカロニ」
中学に入ると、急に音楽というものが皆の間で話題の中心になって来ました。
お兄さんやお姉さんが居る子たちは、長男長女たちよりも文化的に進んでおり、もしかすると小学校高学年から洋楽を聞き出したりしていました。
当時邦楽は、フォーク全盛時代で、かぐや姫・吉田拓郎・井上陽水・赤い鳥と様々な人たちが若者文化をけん引していました。
洋楽では、ビートルズの解散後ではありましたが、ビートルズ最終世代であったり、ストーンズ、ハードロックのディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、そしてエマーソン・レイクアンドパーマなどの人たちを聴くことが、ちょっとカッコ良かったりしました。
私が初めて買った洋楽は、やはりビートルズで、それはLPではなく「HELP」が入った4曲入りのものだったと記憶しています。
その後すぐ、必死になって「YESTERDAY」を辞書片手に訳したりしていました。
「指先にタコが出来なければ本物じゃない!」
なんて言うことが皆の中に流れたものですから、それこそコードを必死で練習しました。
中学2年くらいになると、時代はフォークからニューミュージックというジャンルが台頭してきて、チューリップ、甲斐バンド、NSPと言った人たちが現れてきました。
洋楽では、ミッシェル・ポルナレフ、クリーム、デルクアンドドミノス(クラプトン)、プログレッシブロックではキング・クリムゾン、そしてデビット・ボウイもこの頃です。
身体が犬のジャケットは鮮烈でした。
そんなこんなで、そうなるとバンドをやらなくてはなりません。
私は、友人たちとチューリップのコピーバンドを組むことになり、家にピアノがあるというだけで、私のパートはピアノになり、財津和夫の役回りをやることになります。
テレビドラマは、そんな時代に青春モノが全盛期を迎えました。
村野武則が演じる型破りな河野先生が大活躍する、落ちこぼれの生徒たちとサッカーを通じて心を通わす熱いドラマです。
主題歌は、『青い三角定規』というグループが歌う「太陽がくれた季節」という歌で、
このドラマを思い出すと勝手に頭の中に流れる歌です。
それまでも、「青春」はシリーズで「青春とはなんだ」(夏木陽介)「でっかい青春」(竜雷太)など10作以上ありましたが、私にオンタイムであったのはやはり「飛び出せ!青春」でありました。
主人公の先生の名字が同じ河野ということもあり、ちょっと入れ込んで観ていました。
「おっ、柴田、山本、、、そう怒るな!」
そんな河野先生の物まねをよくしていました。自分でいうのも何ですが、ちょっと似いてました。
当時の青春ドラマには必ず同僚先生にマドンナが居て、それは酒井和歌子でした。
懐かしい時代です。
もう一つドラマの大きな潮流としては刑事ものが挙げられます。
代表格はそれから何年もヒットを続けることになる
です。言わずと知れた石原軍団の始まりです。
石原裕次郎(ボス)、下川辰平(長さん)、露口茂(山さん)、竜雷太(ゴリさん)、小野寺昭(デンカ)、そして萩原健一(マカロニ)、(初期には地井武男がいました)の面々がそれぞれに個性的な人たちを魅力的に演じていましたが、中学生の我々にはやはりマカロニがイカシテいました。
組織の中にいながら、組織属さない強烈な個性で刑事を演じて行く様は、若者の憧れでした。
今見てもショーケンの演技は素晴らしいの一言です。
そして、その責任をすべて取るボスもイカシテいました。
ここでも、一人というヒーロー像は健在です。仲間はいますし大切な存在なのですが、そういう中であってもアイデンティティーと意味に於いて、個人の尊厳的な意味合いに於いて一人なのです。自己責任のとれる組織人的なことが、ドラマの人間像を深くしていたように思いますし、一人一人がその人として社会の中で活きていました。
こうして音楽とテレビに現を抜かしている私の有様に、両親は酷く心配をしていたようです。勉強は試験の前日くらいにしかしないのですから、当たり前です。
それから、バンドが忙しくなり頭の中は音楽のことだらけになって行きましたので、中学校のドラマの記憶はこの2作以外は鮮明ではありません。
次に、「ウォー!」と思ったドラマが登場したのは、何とか滑り込んだ高校に入ってからです。
凄いものが出てきました。
~つづく~
~つづく~
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