ひと休憩~少しオーディオの第7話~「システムの完成」

遂に我が家にmarantz SA15S2が到着しました!


SACDプレーヤーとは?

皆さんには聞きなれない言葉だと思います。これはスーパーオーディオシーディープレーヤーの略なのですが、何がスーパーなのでしょう?
簡単に説明しますと、通常のCDは人間の可聴域の倍くらいの設定をしており、人間に聞える音を再現するには十分だと言われていました。実際に出ている音の上下をカットして再生しているわけです。
しかし、人間のポテンシャルは果たしてそんなものなのか?と言いますと実は人間は音を耳以外でも感じているらしいのです。音は波動ですので、低音の響きなどは皮膚でも感じたりもしています。
そしてCDはデジタルですので所詮点の集合体、不連続なドットの集合体です。決して線にはかなわないのです。

絵の世界でいえば、当に点描の様な感じかも知れません。(僕はゴッホも好きですし、凄いとも思います。しかし点描に出会う前のゴッホの絵は、「落穂拾い」の習作などを見てもお世辞にも上手いとは言えないです。)同じ印象派でも線で描く他の画家の人たちの絵はある心地よさを持っているとも思います。点描は表現方法ですが、CDは容量の規制から発した情報カットな訳ですから、比べるモノを少し間違ったかもしれません。
そう考えるとCDにしか出来ない音作りというのも、もしかしたらあるのかも知れませんね!?
少し話がそれました。

よく言われるのが本当に良い音はレコードには敵わない。レコードは線ですので、優秀な再生機器を使用すれば、大変柔らかく良い音がします。
 そこで開発されたのが、録音形式の全く違うスーパーオーディCDなのです。これも簡単に言いますと、容量が通常CDの約6.7倍という事で、世にいうハイレゾ音源というものにあたります。DSD(Direct Stream Degital)と同じ方式の様です。
容量が多い分そのドットの数は増え、より線に近い状態にもなるわけです。そして、周波数の上下の幅も大きくなります。

では実際どのように音の違いがあるかというと、一言でいえば柔らかいのにクリアーなのです。勿論、音は音源の録音状態によって大きく変わりますし、全てのSACDが素晴らしい音であるとも限りませんし、全てのCDの音が良くない訳でもありません。

聴きなれないと寧ろソリッドな音がするCDの方が良い音とも取れがちですが、音の心地よさという点であったり、微細な高音の感じがやはり違うのです。
ソリッドな音は、どうしても聴き疲れしたり、機材によっては耳が実際に痛くなることがあります。
同じアルバムをCD.SACDで聴き比べるととても面白く、その違いを理解できると思います。

いよいよ、念願のSACD marantz SA15S2が家に到着し、用意しておいた御影石の台の上に載せ、配線を済ませました。また、この時にケーブルが必要でしたので、大阪のにある、プロケーブルというケーブル専門サイトでBerden 88760というそこのお店一押しのアナログケーブルを取り寄せ、繋ぎました。












取説を一通り読み、記念すべき一枚目は何にするか悩みました。それまでSACDプレーヤーではなかった為、SACDをまだ持っていません。そして悩んだ挙句

Kieth Jarret「Jasmine」

にしました。

このアルバムは私の中で恐らくBEST5には入るだろうというお気入りのアルバムです。
普段奔放な天才ぶりをで有名なピアニストKeith Jarrettが、Charlie Hadenという素晴らしいベーシストを迎え敬意を払う様に弾くピアノ、そしてCharlie HadenがそのKeith のピアノを優しく包む。そんなお互いへのリスペクトとシンパシーを感じる、優しい優しいそしてとても奥行きの深いピアノとベースの世界です。

電源を入れます。しかしこの電源は本体でしか入れられません。高い機種になると、重要な電源に色んな要素を取り除いているらしく、その辺は不便になるようです。
すると、正面のコントロールスイッチやダイヤルなどが集まった左右の端にスリット的なものがあり、そこから青い光が間接照明のように光ります。

「おー!」

CDをセットして、プレイボタンをリモコンで押しました。

一曲目の「For All I Know」が静かに流れだしました。エージングが済んでいませんので、まだまだ本チャンの音ではないはずですが、明らかに奥行きが違います。また音を聴いて
「おー!」

暫く夢心地の音を聴いていました。そして、取説に書いてあった2種類の音質が楽しめるFilter1/2を試してみることにしました。
Filter1は奥行きのある優しい音。Filter2は優しい中にも少しエッジの効いた音。そんな感じです。
私のシステムの場合、スピーカーがB&W CM1であるため、少しエッジを効かせたくらいが低音のボア付きがなくなったりします。そのため、Filter2で聴くことにしました。

「本当に良い音です!」

まるで、二人が目の前で演奏してくれているようなそんな感じの音なのです。それこそそ収録スタジオの空気感まで伝わってくるような。

オーディオ関係の人の中には、機材は入り口と出口が一番大事!だから、「プレーヤーとスピーカーが一番肝心だ!」というような人もいます。それも一理ある。しかしこればっかりは全体のバランスで、個々の好みもあるため何とも言えませんが。
これは余談ですが、SA15S2にはDAC(degital to analog converter)機能も付いていたため、テレビから光ケーブルを繋いで、映画やミュージック動画はこれを経由して、ステレオで堪能しております。

それからというもの、会社に行く前朝5時から起きて音楽を聴き、帰ってきてからも10時くらいから2時間くらい音の世界に漬かって過ごしました。
そして、SACDを徐々に買っていき、その音質の素晴らしさを堪能して行きました。
(SACDはタイトルも少なく高価なのでそう簡単には買えません)

2か月くらい経って、エージングがそろそろ済んだだろう頃になると、音はやはりさらに良くなっていきました。(エージングとは、機材やケーブルが通電され動き出して直ぐは本来の性能が発揮されず、慣らし運転を終えてから音や音質がぐっと良くなるのですが、それに必要な期間を指します)
そして、最後にスピーカーケーブルをバイワイヤー(ツイター・ウーハー別々の繋ぎ方で、それが出来るアンプとスピーカーはそれぞれのアンプ・スピーカーに4つづつ端子が付いています。)で繋いでみたくなり、ビックロへ行き以前室さんに勧められて購入していたSUPRA Classicを2本追加しました。














ここで、一応私のB&W CM1を鳴らし切るためのステレオシステムは完成しました。
もしまだする事があるとすれば、アンプを買い替えることぐらいだと思います。

その間膨大な時間を使い、音を聴き、情報を集め、出来うる範囲でB&W CM1を鳴らし切るまではいきませんが、何とか自分好みの音にまでは鳴らすことが出来るようになりました。

こう言った新しくも懐かしい経験の中で、私は会社を退職し第2の人生を歩み始めることとなりました。
あの日、安いコンポを買っていなければ、実際まだ会社員をしていたと思いますし、もしかしたらその方が楽な生活だったかもわかりません。
今は、まだまだ未来の見えない中、もがきながらの毎日です。
それでも、会社員のままでは知らなかったことの数々をここ一年で経験させて頂きました。60を前にして、知らないことのなんと多い事かと驚かされました。
そのことはまた、ブログで書いていきたいと思います。

そうしているうちに、もう一度自分を振り返ってみました。
ファッションも、アートも、音楽も細かく言えば優劣はありますが、自分にとってはやはり好きなものには変わりありません。
何かに特化することも良いのですが、

人が「良い」と思うものに境目はないと思います。

外には素敵な服を着て行きたいですし、お気に入りのアクセサリーも身に着けたい。リビングの壁にはお気に入りの絵もかけたいですし、テーブルには好きな食器を。そして、好きな音楽を良い音で楽しむ。

これらは、心の豊かさにどれも必要なモノのように思います。

人生100年時代の到来を踏まえ、自分の生き方を見直し自分の出来る事、したい事がはっきりと分かり、皆様にジャンルを超えた「新しい上質の豊かさを」提案していきたいと思っています。

皆様が笑顔になって頂けるような、私が胸を張ってご紹介できるモノや人をご紹介させて頂きます。

今はまだネットオンリーでなかなかオーディオの扱いまで届きませんが、
「中級オーディの勧め」を必ず具現化していきたいと思います。
その時は、皆さまよろしくお願いします。

オーディオの話は、ひとまずここまで。







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