ひと休憩 ~少しオーディオの話1~「タイヤがステレオに化けた!」

ここまで、アーティストさんたちとの出会いを書いてまいりましたが、ここでひと休憩させて頂いて、私の趣味のオーディイオについて少々。
お話は10年前に遡ります。

とある正月二日、晴れ渡った日でありました。そろそろ、車のタイヤを変えなくてはと思い、昼過ぎに近所のオートバックスまで行ってまいりました。
そこでタイヤを物色していると、欲しいと思われるタイヤはどれも8万ほどしており、
「高いなー!」
そんな風に妻と話しているうちに、
「まだ乗れるからまたにするか」
ということになり、それでは出たついでにYAMADA電機の正月売り出しにでも行ってみるか!となりまして、一路YAMADA電機へ。

YAMADA電機に着き、ふらふら見ているうちに何時しかオーディオコーナーに来ておりました。
すると、「正月売り出し」の文字が目に入り、ONKYOD-112Eというスピーカーがなんと¥10,000ジャストで売っていたのです。音を聞かせてもらうと、良くは分からないのですが、他の同じような大きさのモノと聞き比べると、断然低音が違うのです。下の方にバスレフという低音の抜け口が付いていて、なんだかよい音に感じたのです。

そのころ私はオーディオに対してなんの知識も持っておらず、普段¥30,000程するスピーカーがそんなに安くなっていてこの音なら!唐突にそう思ってしまったのです。
本来私は音楽がとても好きだったのですが、子供が生まれて以来、我が家にその時点で15年くらい経って鳴らなくなった当時20万ほどしたステレオセットがただただ場所を取っている状態でしたので、音楽というものは殆ど聞いていなかったのです。酷いときには、DVDプレーヤーにCDを入れてテレビで聴いていたような状態でした。ですので、いつかは欲しいとは思っていたのもありました。

そうして、妻と相談しCR-D2というCDレシバーと一緒にそれを購入し持ち帰りました。
つまり、タイヤがコンポに化けたのです。モノが違うにも程がありますが、我が家では時々そんなことがあります。
喜び勇んで、テレビと繋げてあっという間にセッティング完了!(因みに私はこの手の配線が得意であります)
記念すべき第一枚目は、やはりここは山下達郎「FOR YOUでしょう!と思って、一音目をドキドキしながら待っておりました。たかだか、4万ちょっとのコンポで何をドキドキしてるんだとも思っていたのですが、やはりドキドキ、、、、
チャアンララッチャッチャッ♬「SPARKLE

の達郎の刻みを聞いた瞬間に、忘れていた音楽への想いを取り戻したがごとく、鳥肌が立ったのです。
「今どきはたったこれだけのコンポでこんな音が出るの!?」
それこそ期待を大きく良い方に裏切ってくれたのです。衝撃的でした!
それからというもの、私は良い音のCDを探しては買い、そして聴く。そんな毎日を過ごすことになったのです。

仕事では、MD統括に就任して以来大方の改革と新提案の実現を終え、ひと段落といったところではありました。少し自己満足的なものが心を支配していたのだと思います。自分の考える正しいベクトルで行けるところまで行って、さて次の手はどうしよう?まだイイか!?そんな満足と慢心と、芽生え始めたノーアイデア対する悩みなどが同時に訪れた時期だったのかもしれません。
心を埋めるべくなのか本来の自分を取り戻そうとしているのか、私はそれこそCDを聴くことに没頭しました。酷いときは休みの日5時半に起きて、夕方6時まで聴きっぱなしで一日を終えることもザラにありました。そして、こんな時代が5.6年続きます。

そんな生活をしているうちに、心は内に内にと知らず知らず入って行きました。一音一音を聞き逃したくないことが、何よりも優先されました。
それでも、変な事なのですが、2時間くらいぶっ続けで聴いていると、変に耳が痛くなるのです。何やら、高音が耳に刺さる感じがするのです。そして、やはり低音の量感が足りないことに少しづつ気付き始めもしました。

上と下を削り取られた音を、綺麗な音だと勘違いしていたことに後々気付くのです。

そんな生活をしているうちに、私は他の友人たちにもステレオを勧めるようになっていました。
何せ我々の世代は家電世代です。特に男子は高校の時分にステレオに憧れた時代でもあります。そして、そのころ親に買ってもらったステレオとでは聞こえなかった音がたった4万ちょいのコンポからは聞こえてくるのです。この驚きを、伝えたくて仕方なくなったのです。

その頃から自分一人でも家電量販店のオーディオコーナーに行くようになり、メーカーの派遣社員の方に根掘り葉掘り稚拙な質問を繰り返し、色々なスピーカーやアンプの組み合わせを聞かせて頂きました。エライもので、そうしていくうちに自分の家の音と、オーディオコーナーで聴く1ランクも2ランクも上の機材から聞こえてくる音の違いに気付き始めたのです。
この音はクリアーなのに耳に刺さらない!このCDの低音はこんなにも豊かなんだ!
そんなようなことが、徐々に体感として分かり始めたのです。

「好きこそものの上手なれ」
とはよく言ったもので、分かれば分かるほど値段やメーカーやそのランクで明らかに音が変わるのだという事を実感していきました。
そのうちに順調に知識も増えて行きました。スピーカーではバスレフという穴の存在や意味、インピーダンス6Ω・8ΩなどΩ数の意味、出力レベル~dbの意味、そしてバイワイヤリング、バイアンプ対応の4本ジャックの存在やその意味なんかをネットで学び、売り場で視聴する、そんな日々のでしたので当然ですが、、、、

そして話が少しマニアックになってきて申し訳ありません。

そんな中、出会ったのがBowers&Wilkinsというイギリスのスピーカーメーカーでした。
オーディオファンの中では知らない人が居ない有名なスピーカーブランドなのですが、全くの無知な私にとっては中々の衝撃的な出会いであったのです。


そして、その輸入元であるD&Mが扱っている有名なMarantzというアンプ・CDプレーヤーなどをメインとするブランドにもめぐり逢ったわけです。Marantz,高校の頃から名前だけは知っている憧れのブランドでした。
この出会いから、更に深くどっぷりとオーディオに嵌り込んでいきました。

つづく

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